北海道に住む私達でも、読めない地名って結構あると思います。そして、それがアイヌ語に由来することは知っていても、その意味はわからないというのが普通でしょう。
でも、ほんの少しでも意味を知ると、より一層北海道の風景が輝いて見えるようになるのではないでしょうか?
そんな思いを乗せ、「地名に使われるアイヌ語」や「アイヌ語地名解」などを連載させていただきます。諸説あったり、不明なものがあったりもそますけどその一例とお考えてください。よろしくお願いします。
☆アイヌ(aynu・ainu)☆
【アイヌ】とは「人間」を意味します。それは、「神」に対しての「人間」という意味合いを持っています。後に異民族と区別するため「民族の総称」として使われるようにもなりました。
☆カムイ(kamuy・kamui)☆
アイヌ民族は全てのものに「魂」が宿ると考え、その中でも自分の生活に大きく影響するもの、たとえば動物や自然現象や人間の力の及ばないものは「神様」がこの人間界に姿を現したものと考えました。
例えば、熊(キムンカムイ=kim-un-kamuy=山に・住む・神)、鶴(サロルンカムイ=sar-or-un-kamuy=湿地・所・住む・神)等々。
これは地名にも多く現れてきます。
■神居古潭■(旭川市)カムイコタン=kamuy-kotan=神の・集落
雄大に流れる石狩川。しかしこの近辺は多くの岩があり、急流となっていることで川下から上がってきた人はここで舟を降り、陸行しなければならなかった。
もし、不謹慎にここに入るものがいたなら、船が転覆し、お咎めを受けることになる。そのように恐れかしこんで通らなければならない場所だったのです。
■神威岬■(積丹町)カムイエゥ=kamuy-etu=神の・嘴(岬の意)
岬の先端の海中には多くの岩礁があり、昔は大難所であった。
また、人の形の巨岩(神威岩・高さ41m)をカムイと呼び、捧げ物をして通過していたということです。また、その舟に女性が乗っていれば海が荒れる信じられ1956年まで女人禁制の地でもあったようです。
そのため、「アイヌの娘チャレンカが源義経との恋に破れ、海に身を投げてこの岩になったと言う伝説」が生まれたのでしょうか?
■摩周湖■(弟子屈町)
摩周湖がなぜ「カムイ」に登場してくるのか?
実は、「神」秘の湖だからです。
ではなく(^_^;)、まさに神様が住んでいてもおかしくないと我々が思えるほど吸い込まれるような美しさをもっている湖で、アイヌの人たちも同じように感じ「カムイ」の宝庫としたのではないでしょうか?
湖の名はキムタン・カムイ・ト=山・に・ある・神の・湖=kim-ta-an-kamui-to 摩周岳はカムイ・ヌプリ=神の・山=kamui-nupuri「
中ノ島はカムイ・シュ=神の・岩=kamui-shuこれだけカムイが揃っているのは他にはないと思われます。
北海道大好き人間は一度は訪れて欲しい場所です。夜明け・日中・夕暮れ・・・感動するのではないでしょうか?
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