作者紹介 夕張めろん 道内の炭坑住宅生まれ。仕事柄道内出張が多く、道すがらに見かけた開拓臭漂う建物をファインダーにおさめるのが趣味。 気が付けば結構な数の、えもいわれぬ写真を皆様にご紹介したく今回出稿しました。
第3話 札幌の街はずれ。 魚のうろこを思わせる外壁と、雪の重みで少し潰れたトタンの屋根。 まるでその周囲だけ、時計の針が動くのを止めてしまったかの様だ。 前を通る度、いつも気になっている店だ。 普段は暖簾がかかっているがこの日は休業だった。 かつては多くの人が此処で蕎麦を食べ、茶を飲みそして 会話を交わしていったのであろうが、 街の中心が離れてしまった今、その面影は感じられない。 静かに店を構えるその佇まいは、 さながら余生を送る老人の様だ。 心の中でそっと語りかけてみた。 もしも可能であるならば、 昔の思い出話を一度じっくり聞かせておくれ‥。
(続)
| 全道マップ | 会員規約 | 免責と注意事項 | 著作権とリンク | 広告募集 | お問合せフォーム | ホームページ製作| Copyright(C) 2002 Hokkaido-club.com All rights reserved.