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でも、もうすぐクリスマス。町の目抜き通りはイルミネーションで飾られ、デパートのショウウィンドゥは、子供たちのためにサンタの飾り付けがなされている。港の朝市では、モミの木が売られていて、各家庭もクリスマスの準備たけなわ。サンタクロースで有名な国フィンランド。サンタクロース村のあるヘルシンキから北へ700Kmのロバニエミ市は国内外の観光客でにぎわい始めている。現在は飛行を停止してしまったが、イギリスから超音速旅客機コンコルドで、日帰りツアーがつい数年前まで行われていたくらい国際的な村なのである。政府公認のサンタクロースは世界を飛び回り、今日本へも1人が出張中でデパート等を廻っている。
フィンランドのサンタクロース、フィンランド語では、ヨウルプッキというが、彼は普段、村から北東へ220kmのコルバトゥントゥリという山、海抜483メートルに住んでいると言われている。トントゥという妖精の助手を従えて、クリスマスに世界中の良い子への贈り物をするために準備をしているのである。フィンランドの子供はサンタの存在を疑わない。なぜなら、イギリスのように夜中に煙突から入ってくるのではなく、子供が起きている夜に、玄関からいっぱいのプレゼントを持って現れるのである。子供一人ひとりにプレゼントを渡し、さらに家族全員へプレゼントを渡すのである。
これは、一年がかりで、各人がクリスマスに向けて準備した品物をサンタさんを介してこの時に渡すという習慣。子供から親へ、あるいは兄弟へ感謝の気持ちを伝えるのである。クリスマスのフィンランドは、日本のお正月ににている。各人が帰省するので、交通機関は込み合い、列車等は早めに運行を止める。故郷で、ゆっくり時を過ごし、クリスマスミサに出かけたり、墓参りに出かけたりする。銀世界の静かな墓地に無数に揺れるローソクの灯は、とてもおごそかで美しい。
(続) |
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