札幌市の近郊にある、江別市のレンガは開拓使が内陸開発建築資材にレンガを奨励したことにより栄えていきました。
 良質の粘土を使った、優れた江別のレンガは数多くの美しい建築物の一片となり、今日まで歴史を伝えています。
 江別のレンガは平成16年に北海道遺産として認定されました。



 札幌市に隣接している江別市は三つの地区に分けられます。市の中心であった江別地区。中高層住宅が多く、飲食・商業施設の多い野幌地区。公営団地や学校が集中する大麻地区です。
 野幌地区と江別地区、特に野幌は「野幌レンガ」と言われるほど広く道民に親しまれてきております。旧北海道庁舎やサッポロファクトリーなどの建物も江別のレンガが使われていますし、今も北海道で使われる80%以上のレンガが野幌産です。
 何故野幌産のレンガがそれほどまでに有名なのか。その理由は良質の粘土にあります。遠く樽前山から飛ばされて堆積した火山灰が、長い年月を経て、鉄分を豊富に含んだ地層をつくりだしたのです。石炭など燃料となるものも手に入れやすかったという理由もあります。



 レンガ独特の暖かみのある色味は、鉄分を含んだ赤ボカと呼ばれる赤色粘土の作用です。野幌にはこの赤ボカ層が多く、もう一つのレンガの原料である細砂も採掘できることから、レンガづくりが発展していったのです。
 また野幌の粘土は、湿気が高いと粘性を増し、逆に乾燥すれば強固になります。吸水性もあり、凍害も少ないのです。レンガをつくるのにうってつけの粘土です。



 街と共に成長してきただけあって、江別にはレンガづくりの建物が非常に多いです。サイロ型や教会型のバス停や、電話ボックス、オブジェなどデザインに工夫を凝らしたものも見られます。


 

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