北見市(旧野付牛町)にあるこのピアソン記念館を語るには、まず所有者であった宣教師夫妻について語らねばならないでしょう。
頑なに鎖国を守り通してきた日本が1854年に開国して以来、次々と宣教師達が来日するようになりました。ピアソン牧師もその一人です。アメリカ、ニュージャージー州エリザベス市のウエストミンスター長老教会より派遣された彼は、妻と共に当時振興が不十分であった女子教育や、廃娼運動、多くの慈善活動に尽力しました。
北見では、略註付旧・新約聖書出版、遊廓設置の反対運動に意欲的に取り組み、ついにこれを成功させました。北見では遊廓がつくられることはなく、多くの女性の尊厳を守ることができたのです。夫妻はその献身的でひたむきな人柄ゆえに市民から慕われていました。
夫妻がここに住むようになったのは一時帰国した後。伝導生活を終えるまでの15年ほどですが、町並みを眺望できる三本の柏の木に囲まれた【みかしわの森】をこよなく愛していたそうです。
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