コロポックルの名前を聞いたことはありますか? 聞いたことがなくとも、フキの葉を傘の様にさした小人の挿し絵を絵本で見かけた方は多いかと思います。
コロポックルはアイヌの神話に登場する小人で、「蕗の葉の下の人」がその名の由来です。
十勝支庁管内にある日本最大の町、足寄町にはそんな神話を思い起こさせてくれるような、大きく成長するフキが生息しています。その高さや2〜3mに達するほど。その昔は4mもの高さにまで生い育ち、フキの下を馬に乗って通ることができたそうです。群生する螺湾ブキはさながら森のようです。
一般的なフキの高さは50cmほどです。アキタブキ(オオブキ)という種だと葉が1.5m、葉柄が2mにもなりますが、螺湾ブキはそれよりもさらに大きいのです。
フキは生育環境に大きく左右される植物です。乾燥した場所ではさほど成長が望めませんが、山地の沢辺など水質に恵まれたところでは大きく育ちます。
それだけで螺湾ブキの巨大さを説明することはできませんが、人々の疑問をよそに、自然の恵みを一身に受けるように螺湾ブキは天高く緑の手を掲げています。
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