秋になると、飛沫を立てながら上流へと泳いでくるサケの群れを見られる河川があります。銀色の体色が黒ずみ、体のあちこちを傷つけながら、生まれ故郷である川へと溯上してくるのです。
産卵場として選ばれるのは、冬でも凍結しないような河床から湧水がでている砂利地帯が選ばれます。水温の変化が少なく、卵が育つ環境に適しているからです。
産卵は秋から翌年の1月末頃まで行われます。雌雄一対になると、まずは巣づくりが行われます。産卵するための穴を掘るのは雌の役目です。雄はその間、他の雄が近づくのを防ぎます。自然界での交配には熾烈な争いがあり、それに勝ち残らねば子孫を残すことができないのです。
穴を掘り終えると雌は産卵し、雄はその上に放精します。雄はそれが終わると、卵を外敵から守るために穴を砂利で覆います。産卵される卵は約3000粒です。
これらの産卵行動が3〜5日にわたって行われます。サケは数日間、産卵床を守りますが、雄も雌もそう長くは生きていられません。
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