2月は温かい日が続き、この様子だと、すぐにも春が来そうな勢いで、今騒がれている地球の温暖化のあらわれか、などと心配していたが、3月に入ると寒い日が多く、結局いつもと同じ様な感じになってきた。残念なような、一方でほっとしたような複雑な思いで過ごしている。
3月は、いつも冬の森観察会を行っていて、今年も3回ほど探索した。やはり昨年と違い、早めに堅雪となっており、歩くスキーやスノーシューがなくても埋まらない。
北海道といえば、大概の植物は秋に紅葉や黄葉を経て、落葉する植物が多いが、エゾマツやトドマツなど真っ白い中で緑が映えるものもいる。森に入ってみるとこれら以外でも案外多くの植物が緑の葉をつけたまま越冬するものがいる。
たとえば、フッキソウやナニワズなどの小低木やササなどである。セイヨウタンポポなどに見られるロゼット型での越冬も知られているが、彼らは冬の間頑張っていた分、春は真っ先に太陽光の恩恵を受けることができる。
そういう常緑の植物の中でも、「オシャクジデンダ」というシダ植物の常緑越冬は面白い。(写真1)
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写真1 くるりと葉を巻いて越冬する「オシャグジデンダ」 |
葉をくるりと巻いて寒さをしのいでいるように見えるが、果たしてこれでしのげているのか甚だ心配であるが、何か一生懸命生きているような気がして、好きである。また、この名前もユニークだ。「オシャグジ」とは漢字で「御社貢寺」で、長野県の社貢寺の林内で初めて見つかったそうであるが、インターネットで探せなかった。詳しい場所を知っている方は是非教えていただきたい。
冬の林内を歩いていると、雪の上に緑色の葉の塊が落ちていることがある。「ヤドリギ」である。(写真2)まだ、赤い実をたくさんつけているところを見ると、小鳥たちのえさが不足していないのかなと思う。
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写真2 地上に落下した「アカミノヤドリギ」 |
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