大谷地恋太郎の地方記者日記

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作者紹介
ペンネーム:大谷地恋太郎
日本各地を転々とする覆面記者。
取材中に遭遇した出来事や感じた事を時に優しく、時に厳しくご紹介します。

(以下は大谷地氏とは関係ありません)

村垣 範正(1813-1880)
御庭番として数々の情報収集にあたる。1854年(嘉永7)勘定吟味役並びに海防掛、蝦夷地御用掛を命じられ、1856年(安政3)箱館に着任。ロシアや蝦夷などの情報を集め、その対応や経営を担当した。アメリカの捕鯨船が入港した際には、船長と共に箱館に来たライスと奉行所で会い、交渉を展開。1860年(万延元)に遣米使節団副使として渡米した後は箱館にて樺太国境問題の交渉、弁天砲台の完成に尽力した。

■地方記者日記134
 ワンセグ
by大谷地恋太郎

 これは使えない、と思った。
 最近流行しているワンセグのことだ。特に携帯電話メーカーが競って、このテレビを見る機能の付いた機種を売り出しているが、実際にテレビとしての機能は、とてもではないが、実用化するには問題がありすぎると思った。
 たまたま、先日、仕事で使っている携帯電話が、ワンセグ機能がついている機種になった。別に欲しかったわけではない。たまたま備わっていただけだ。
 しばらく、ワンセグの機能があることなど無視していた。携帯電話は、基本的には通話をするということが、私の考えだ。シンプルでもいいと思っている。
 それがたまたま、時間の関係で、テレビをタクシーの中で見る必要が出てきた。そうだった、私の携帯電話はワンセグがあるではないか、と思い出して、タクシーの中で設定作業をして、テレビの受信を始めた。
 しかしなかなか画面に映らない。何回、設定ししても駄目だった。
 そのうちタクシーは赤信号で止まった。
 するとどうだろう。ようやくワンセグのテレビ機能が動作して、画面にテレビが映った。ふーん。こういうものなのだ、と感心していた。再びタクシーが動き出すと、また画面が乱れて、そして映らなくなった。
 その繰り返しだった。赤信号で車が止まると映り、走り出すと画面は映らず、時折、画面がフリーズしたように、動画ではなく写真になって、固まった。
 そうか、こういうことだったのだ。ワンセグは移動している最中の受信は出来ない。つまり、車や電車の中で見ることは不可能なのだ。
 たぶん、電波の受信は、PHSのようなものなのだろう。動いていると使えない。
 そしてメーカー各社はそういうことを知っていて、売り出しているのだろう。
 もう一つ、欠点があるのが分かった。
 あるメーカーがワンセグを見ながら、風呂でテレビ鑑賞を、と売り出している。
 しかし、これもインチキだ。
 マンションの風呂では、全く受信できなかった。私は通常の防滴テレビを持っていて、時折風呂場に持ち込んでニュースなどを見ているが、本体に組み込まれただけの短いアンテナだけでは、通常のテレビ機能を持った機械でも、受信状況が良くなくて、画面が乱れる。
 ワンセグを風呂で、という発想自体、おかしいのだ。
 ここまで来て、もうおわかりだろう。携帯電話のワンセグ機能なんて、所詮オモチャのレベルなのだ。ニュースを見たい、というようなビジネスに活用するには、とても無理がある。こんなものにカネをかけるなんて、なんて無駄な投資をしているのか、と思ったりもする。
 要するに、飽和状態の携帯電話市場で、どうやって売り抜けていくか、という発想の延長上に、ワンセグ機能があっただけなのだろう。
 この地方記者日記131話でも書いたが、最近の携帯電話は機能がてんこ盛りになり、使いこなすのも大変だ。使いこなしても、機種変更する際の変更作業は、単なる機種変更だけではなくなっている。
 便利な機能が、機種変更の際は、不便な機能となっていくのが、今の携帯電話である。
 みなさんもじっくり考えてね。

(続き)



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