■地方記者日記139
スマートフォン |
by大谷地恋太郎 |
携帯電話会社のウィルコムが発売したPHSのスマートフォンを使っていたが、先日、ついに契約を解除した。実に使いにくい代物だった。
キーボードがスライドして、文字入力が簡単になる、あのマシンだ。
欠点の第一は、電波が弱くて届かない。私が現在勤務する地方の支局から電話を掛けても、相手の声が「もしもし」と言うだけで、私の声が聞こえないらしい。おいおい、木造住宅だぞ。鉄筋コンクリートの建物ではないぞ。マンションでもビルでもないのに、電波が弱すぎるのだ。
同社のホームページで確認しても、この地方を完全にカバーしていることになっている。しかし、それは単なる宣伝だけなのか、実際に数カ月使ってみて、カバーしてはいない。看板に偽りあり、だ。電波が届かない携帯電話なんて、携帯電話ではない。PDAに過ぎない。
第二の欠点。バッテリーの持ちが異様に短い。新しい電池に買い換えて、フル充電しても、二日するとバッテリーがなくなっている。そんなに電話として使ったこともないのに、だ。ウィルコムの携帯電話に限ったことではないのかもしれないが、スマートフォンのバッテリーが、こんなに短いと、実際の仕事に使うのは難しい。各種パソコン雑誌や、パソコン関連のホームページを見ても、かなりの苦情があるようだ。欠点なのだ。
一年契約だったので、数カ月の解約は違約金が発生するから、一年間は待って解約しようと常々考えていた。しかし、電話として使い勝手が悪いものを持ち続けるだけで、毎月数千円かかるのは無駄と判断した。
実はこのスマートフォンは、元々会社の同僚が大手電化店で買って使っていたものを、安く譲り受けた。譲り受けた際、その電化店に行き、契約解除をして私との新契約をすることにしたが、その店では契約変更は出来ず、ウィルコムの契約代理店で行った経緯があった。
その契約代理店に行ってみた。
何と店じまいしているではないか。
身代わりの速さというべきか。この業界にはよくある話かもしれないが、利用者は困る。ホームページを見ても、解約方法が載っていない。改めて、別の契約代理店をようやく探し出して、解約した。auの代理店だった。
店側も手慣れたもので、「はい、そうですか」という感じで、解約手続きを行った。違約金は四千円。ちょっと高いな、と思いつつ、手続きを終えた。
で、結論だ。
PHSを地方で使うには、かなり無理がある。全域をカバー、という宣伝をしているが、あれは真っ赤な嘘だ。電波が届かないのだ。ドコモもPHS事業から撤退したのも、そうした背景があるのだろう。都会しか使えない。
スマートフォンは、PDAに電話機能を移植させて進化させた形を取っている。
しかし、その一方で、携帯電話も次第に機能がてんこ盛りになり、PDA機能を充実させてきた。次第にスマートフォンのような機能に近づいている。もっと進化すれば、よりスマートフォンに近いものになり、敢えてウィルコムの携帯電話を買う必要はなくなるかもしれない。
数カ月の契約と違約金は、ちょっと高い授業料になったのかな。
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(続き)
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