大谷地恋太郎の地方記者日記

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作者紹介
ペンネーム:大谷地恋太郎
日本各地を転々とする覆面記者。
取材中に遭遇した出来事や感じた事を時に優しく、時に厳しくご紹介します。

(以下は大谷地氏とは関係ありません)

渡瀬寅次郎(1859-1926)
静岡県沼津市生まれ。札幌農学校1期生。卒業後は北海道開拓史を経て教育界へ進み水戸中学校長・水戸尋常師範学校長・東洋英和学校教頭などを歴任。1885年(明治18)には東京中学院(現在の関東学院) の初代院長となった。その後種苗の販売会社を設立、『二十世紀梨』の名付け親のひとりとなるなど農業の振興と発展につとめた。

■地方記者日記144
 白い恋人
by大谷地恋太郎

 例のチョコレート事件。賞味期限切れの商品を再度売るという商法もさることながら、やはり連想してしまったのが、サッカーJ2のコンサドーレ札幌のことだ。コンサドーレにとっては大スポンサーであったが、単なるスポンサーの枠を超えて、カネも出すし口も出す、という悪い意味でのスポンサーでもあった。
 あの広大なサッカー練習場を提供していたのは、他の貧乏なサッカーチームにとっては羨望のまなざしで見られていた。見学用のスタンドもあり、レストランもあり、連日のようにサポーターが来ては、お目当ての選手の動きを見ている。
 これが貧乏なサッカークラブなら、スタンドやレストランどころか、サッカーの練習場確保にすら困るのだ。日々良質な芝の状態で、自由に練習できるコンサドーレは、Jリーグの中でも、かなり恵まれている。その意味で、そのチョコレート会社は、大スポンサーなのだ。
 一方で、この社長、結構、選手の人事に口を出していた。
 J1からJ2に転落した時、一年でのJ1復帰を誓った時に獲得したブラジル人選手の選定を巡って、クラブ側にかなりの注文を出したのは有名だ。獲得した選手はそれなりに活躍したが、最後は出場機会がなくなり、わずか一年でいなくなった。数億円もの獲得費を使っても、J1復帰は出来なかった。
 他のクラブチームが、一千万円の獲得費ですらびびっている一方で、コンサドーレは大判振る舞いをしたうえで、成績は上昇しなかった。
 カネを出すが、口も出す、という大スポンサーを持った弊害だ。
 コンサドーレは恵まれているのは、チョコレート会社の不祥事発覚で、この社長が辞任し、クラブ側との接点が完全に消えたことだろう。弊害を排除してしまえば、クラブとしては、現有戦力だけでJ1復帰を目指して戦うだけでいい。
 この地方記者日記が掲載される段階で、コンサドーレがどんな順位になっているか分からないが、少なくても一位をずっと保っていられたのは、弊害を排除し、純粋に戦ってきたからなのだろう。
 あの赤いユニホームに「白い恋人」と大きく書かれたスポンサーの文字も、今は昔、となっていくのかなあ。
 来年のこともついでに述べておこう。
 J1に上がったとして、今の戦力による戦術、戦略は大幅に変更しないと、J1では恐らく戦っていくのは不可能だ。
 今年のコンサドーレは、横浜FCに似ている。徹底して守って、失点を防ぎ、カウンターを狙う。横浜の場合も、徹底的に守る戦術で戦い、失点を最小限に防いで、J1に昇格した。
 しかし、せっかく昇格した今年の成績はごらんの通り。全く勝てない。高木監督まで解任されたが、それでも勝てない。J2とJ1では、全くレベルが違うのだ。
 クラブ側は、来期の構想も考えたうえで、戦力補強をしていかないと、またJ2に転落する危険性もある。昇格で浮かれないことを期待して試合を見ていきたい。

(続き)



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