大谷地恋太郎の地方記者日記

バックナンバー

作者紹介
ペンネーム:大谷地恋太郎
日本各地を転々とする覆面記者。
取材中に遭遇した出来事や感じた事を時に優しく、時に厳しくご紹介します。

(以下は大谷地氏とは関係ありません)

森本 厚吉(1877-1950)
京都府舞鶴生まれ。1894年(明治27)北海道へ渡り、翌年札幌農学校予科4学年に編入。新渡戸稲造より英文学と倫理学を学ぶ。1903年(明治36)に独力で米国の大学院に入学、経済学と歴史を学ぶ。以後も札幌農学校〜北海道帝国大学農科大学で教鞭をとる傍ら米国での学位授与など、法学、経済学ほか幅広い分野で研究を重ねた。

 
■地方記者日記149
 ネット通販余波
by大谷地恋太郎

 地方にいると、近所に百貨店や専門店がないから、ネットによる通販を利用することが多くなった。カメラのレンズから始まって、ビデオ、パソコン、ジョギング用のウインドウブレーカー、靴下、ボールペン、パソコンバッグ、カメラバッグ、マイカーの無線感知器、携帯電話のカード、ドリンク、薬、酒、音楽CD、パソコンソフトまで、生活必需品から嗜好品までありとあらゆる物をここ数年買ってきた。
 使い出すと予想外に便利で、しかも価格の格差がはっきり出て、安い物を買った時は得をした気分になる。
 だが、その想像もしなかった余波があることも、最近は深く受け止めている。
 まずはインターネットのメールの届く量が異様に増えたことだ。
 昔から契約しているプロバイダーのメールアドレスに届くメールの量が最近異様に多くなり、ちょっと困るようになった。ネットでの買い物をすると、その店から宣伝メールが毎日届き、次第に増えてくる。そのうえ、アクセスした記憶もないような悪質な会社から、違法な金額を要求するメールまであり、その数は一日に二百通以上になっている。
 こんなメールの中に大切なメールが混じっているとなると大変なので、タイトルと宛先人を確認しているが、時折、見落とすこともあり、どうも釈然としない。
 アドレスの変更も考えたが、昔から使っているアドレスをそう簡単に変える手間も惜しい。
 メーラーの機能を使って振り分けることもしているが、メール数が多いため、そんなに有効な機能にはなっていない。
 大量のメール、どう対処していっていいのか、ちょっと悩んでいる。
 一番いいのは、楽天やヤフーなどのネットでの買い物をしないことだ。
 一度利用して登録してしまうと、よくここまでも、というメールが届く。役立ちそうもないなら、登録を取り消すようアクセスすることだろう。
 ただしこの方法は、金銭を要求するアダルトのホームページでは役に立たない。逆に、さらに法外な金銭を要求されるケースもある。
 ネットの通販で、やはり、というか、そうだったのか、と思うのは、宅配便の質の問題も浮き彫りにさせた点だ。
 ネットで買い物をして支払いをするには、いくつかの方法がある。クレジットカードでの買い物。銀行口座に振り込んでの買い物。さらには着払いの方法。
 この三種類の支払い方法をこれまで数年使ってきたが、クレジットカードの支払いでの商品購入は、商品の発送がスムーズだが、実際に自宅に届くまでは、ちょっと遅い。逆に着払いは、発送はそんなに早くないが、宅配便の作業は異様なまで早い。
 分かるだろうか。クレジットカードでの支払いは、もう済んだことなので、宅配便はややおざなりなのだ。クレジットカードで商品を購入した場合、宅配便業者が自宅に来て留守だとすると、不在票を入れるが、その後の連絡はまずはない。これに対して、着払いの宅配便は、カネを受け取らないと仕事にならないから、何回も荷物を届けようとする努力をする。
 ショップ側と宅配便業者の意識のずれというのだろうか。着払い料金も発生するので、着払いは安くないが、それでも多くの利用者がいるのは、よく分かる。信用していないのだ。
 宅配便業者は、着払いの商品を着実に購入者に届く努力をするが、クレジットカードの支払いによる購入者には、努力をしていない。そのことがよく分かってしまうのだ。
 それともう一つ。
 大手の宅配便には、地方に行くと下請け業者が存在する。この下請け業者の対応がずさんだ。僕が留守で、何回か宅配に届けに来たらしい。最後になって支局玄関前にその商品を置いたままにしてしまった。
 おいおい、盗まれたらどうするのか、と思った。
 ネット通販と切っても切れない地方での生活をしていると、ずさんな業界をかいま見るのである。

(続き)



| 全道マップ | 会員規約 | 免責と注意事項 | 著作権とリンク | 広告募集 | お問合せフォーム | ホームページ製作|
Copyright(C) 2002 Hokkaido-club.com All rights reserved.