■地方記者日記34
続高校野球 |
by大谷地恋太郎 |
前回も高校野球の話を少し書いたが、今回も高校野球のことを。
新聞社って、入社して驚くのが、夏の甲子園を目指した野球大会に異様なまで、時間と金と人をつぎ込むか、ということだ。私もそうだった。
地方の大会試合、一つ一つ記録を載せて紹介するし、ゲーム内容をきめ細かく記事にしている。七月になると全国のどこの新聞の紙面も、高校野球一色で埋められていく。地方の支局では若い記者が中心になって、大会が終わるまで、しばらくは野球漬けになって、毎日毎日試合を観戦し、記事にしていく。
地方によっては、記者席にエアコンが設置されていない場合も多く、暑さと砂埃によって真っ暗になって、その日の仕事を終える。暑いから、女性記者だと、短パンを履いたり、ミニスカートになったり、とにかく格好など気にしていられない感じになる。
高校野球は、トーナメント戦だ。負けるまで、逆に言えば、負けない限り、上に進んでいく。そして準々決勝、準決勝、決勝で勝つと、ようやく甲子園への切符を手にする。全国の球児が憧れる甲子園の試合は、通年だと八月の上旬に幕を開ける。
甲子園では、その県や北海道などの代表校に同行する取材方法を採る。つまり球児らと毎日のように接触し、試合に一喜一憂する。
だから感情移入も発生する。
勝てばナインとともに喜ぶし、負ければナインとともに涙する。
ここまでなら、これでいい。
問題は一線を越えてしまうケースが時折あることだ。
そう、女性記者と選手の間で、一線を越してしまうのだ。一線を越すとは、要するに特定の球児と、男と女の関係になってしまうのだ。
どういう時間帯と空間を作って、男と女の関係を続けていくのか、私には想像できないが、とにかく相手は社会人になって二年生ぐらいのお姉さま。高校生は十八歳か十七歳ぐらいで、やりたくてやりたくて仕方ない年頃。プロ野球巨人の桑田投手とか、今は引退した水野投手などは、各地に遠征するたびに、ソープランド通いしていた常習者だった。この年頃って、セックスをしたくて仕方ない年齢なのだろう。
女性記者からみれば、かわいい高校生とでも映っているのだろうか。
いつしか男と女の関係におぼれていく。
なかなか表面化はしない。発覚も遅れる。
前回も書いたが、現像を依頼したネガフィルムに、エッチな写真が入っていて、発覚したケースがあった。この時は、写真部の壁に、大きくプリントされた写真が飾られた。本人は全く気づいていなかった。次第に噂は広がって、最終的に結婚したとか、しなかったとか。
今の高校生って、マスコミの取材慣れしているから、女性記者には注文も多い。
「ミニスカートで来てくれないと、負けちゃう」
とか言って、記者に注文するし、その女性記者もその通り、極端に短いスカートで悩殺させようと努力する。
高校野球は、こうしたませた高校球児と、女性記者との、危ない関係を作ってしまう悩殺舞台なのだ。
私は全く関係がありませんでした。
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(続き)
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