大谷地恋太郎の地方記者日記

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作者紹介
ペンネーム:大谷地恋太郎
日本各地を転々とする覆面記者。
取材中に遭遇した出来事や感じた事を時に優しく、時に厳しくご紹介します。

(以下は大谷地氏とは関係ありません)

岩澤 誠
(1902-1984)

千葉県出身。1927年司法試験に合格。北海道庁警察部から弁護士に。26年を要して1959年に完全勝訴した千歳の土地変換訴訟などを担当した。50余年の弁護士生活を通して、日本弁護士連合会副会長を4期、道弁護士連合会会長2期、札幌弁護士会会長を3期務めた。

■地方記者日記34
 続高校野球
by大谷地恋太郎

 前回も高校野球の話を少し書いたが、今回も高校野球のことを。
 新聞社って、入社して驚くのが、夏の甲子園を目指した野球大会に異様なまで、時間と金と人をつぎ込むか、ということだ。私もそうだった。
 地方の大会試合、一つ一つ記録を載せて紹介するし、ゲーム内容をきめ細かく記事にしている。七月になると全国のどこの新聞の紙面も、高校野球一色で埋められていく。地方の支局では若い記者が中心になって、大会が終わるまで、しばらくは野球漬けになって、毎日毎日試合を観戦し、記事にしていく。
 地方によっては、記者席にエアコンが設置されていない場合も多く、暑さと砂埃によって真っ暗になって、その日の仕事を終える。暑いから、女性記者だと、短パンを履いたり、ミニスカートになったり、とにかく格好など気にしていられない感じになる。
 高校野球は、トーナメント戦だ。負けるまで、逆に言えば、負けない限り、上に進んでいく。そして準々決勝、準決勝、決勝で勝つと、ようやく甲子園への切符を手にする。全国の球児が憧れる甲子園の試合は、通年だと八月の上旬に幕を開ける。
 甲子園では、その県や北海道などの代表校に同行する取材方法を採る。つまり球児らと毎日のように接触し、試合に一喜一憂する。
 だから感情移入も発生する。
 勝てばナインとともに喜ぶし、負ければナインとともに涙する。
 ここまでなら、これでいい。
 問題は一線を越えてしまうケースが時折あることだ。
 そう、女性記者と選手の間で、一線を越してしまうのだ。一線を越すとは、要するに特定の球児と、男と女の関係になってしまうのだ。
 どういう時間帯と空間を作って、男と女の関係を続けていくのか、私には想像できないが、とにかく相手は社会人になって二年生ぐらいのお姉さま。高校生は十八歳か十七歳ぐらいで、やりたくてやりたくて仕方ない年頃。プロ野球巨人の桑田投手とか、今は引退した水野投手などは、各地に遠征するたびに、ソープランド通いしていた常習者だった。この年頃って、セックスをしたくて仕方ない年齢なのだろう。
 女性記者からみれば、かわいい高校生とでも映っているのだろうか。
 いつしか男と女の関係におぼれていく。
 なかなか表面化はしない。発覚も遅れる。
 前回も書いたが、現像を依頼したネガフィルムに、エッチな写真が入っていて、発覚したケースがあった。この時は、写真部の壁に、大きくプリントされた写真が飾られた。本人は全く気づいていなかった。次第に噂は広がって、最終的に結婚したとか、しなかったとか。
 今の高校生って、マスコミの取材慣れしているから、女性記者には注文も多い。
 「ミニスカートで来てくれないと、負けちゃう」
 とか言って、記者に注文するし、その女性記者もその通り、極端に短いスカートで悩殺させようと努力する。
 高校野球は、こうしたませた高校球児と、女性記者との、危ない関係を作ってしまう悩殺舞台なのだ。
 私は全く関係がありませんでした。

(続き)



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