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作者紹介

鈴木周作(水彩色鉛筆画家)
1972年11月15日生まれ。
22歳から独学で水彩色鉛筆画を始める。
札幌、東京の画廊やカフェでの常設展示などを経て、
1999年頃から旅行雑誌、書籍の挿絵を担当。
2000年からはJR北海道のポスターや観光記念乗車券など
各種ノベリティグッズの制作を手掛ける。
2003年1月、東京・阿佐ヶ谷で個展開催。
2003年7月、はじめての絵本”赤帽、最後の日”(新世研)出版。
現在は主に絵本製作などの分野で活動中。


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■第六話 さよなら楓駅 <石勝線・楓駅>
(2004.3.15)


 一度は行ってみたいと思いながらもなかなか機会に恵まれず、ようやく訪れることができたのは最後の日の最終列車でした。
 札幌〜釧路を結ぶメインルートにありながら、停まる列車は1日たったの1往復。
しかも日曜日にはその1往復さえ運転されないという石勝線の楓駅。3月12日限りで廃止されたこの駅の最後の姿をスケッチブックに留めてきました。

 1日平均の利用者数が実に1人余というこの駅も、さすがに最終日には名残りを惜しむ地元の方や愛好者たちが詰め掛けて、ちょっとした賑わいを見せていました。



 無くなると聞いて慌ててやってきた僕のような者が「淋しい」などと言うのは、何だかこの駅を利用し続けてきた方や関係者の方に申し訳ないような気がします。
 でも、そんな皆さんがいつか僕の絵を見た時に、この駅を想い出してちょっとだけ嬉しい気持ちになってくれるなら、あえて出張ってきたことも無駄ではなかったように思います。

 とにかく、最後を見届け描き残すことができただけでも・・・。



 隣駅の新夕張から帰りに乗った特急列車。車内改札の車掌さんに”楓→札幌”の乗車券を差し出すと、ニコッと笑って、いつもより丁寧にスタンプを捺して返してくれました。
 「おゃ懐かしい!大事にして下さいね」


(続)



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