イギリスを発祥の地とするパブリック・フットパスが、近年、我が国においても注目されるようになってきました。牧場などの私有地や、旧道、廃線跡、公園、川辺、森林の散策路、公道といった様々な道を組み合わせて、ちょっとした地域資源を結ぶなど、道内各地で多くのコースが整備されています。従来の観光では、対象となる景勝は遠目に眺めることが多く、道路を隔てた景色である場合が多いように思われます。
私はそこに、ロケーションと同化できない、漠然とした距離感を意識していました。自然観察の対象となる場所に足を踏み入れられる遊歩道があったとしても、地域全体への親和感は限定的です。それは特定のディスティネーション内に限定された、言わば閉鎖的な空間であったわけです。
フットパスによる観光振興は、こうした景観との隔絶感を埋めるにふさわしい手法であるように思われます。整備に多額の費用を要しない、地域住民が道づくりに参画できる、といったメリットもあります。北海道こそ、フットパスによって、多数の地域資源が活かされるのではないでしょうか。
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根室フットパス(厚床パス)の様子。
全長10kmほどのコースは、標津線跡、殖民軌道跡を歩くほか、牧場のゲートを開けて出入りする。虫除けスプレーは必携。 |
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