第5話
今回の三菱Jeep J-36には物語があります。
20年近く付き合ってるS氏、昭和から乗っているJeepが自慢で休みのたびに一緒に釣りなどして遊んでました。
実は酒乱のアル中で会社の仲間も飲み会だけは誘わない人だったんです。
ところが5年ほど前 小樽の会社へ再就職、最初は札幌から小樽へJeepで高速道路を通勤してました。
2年目長野県へ転勤があり、単身赴任だったのでJeepは札幌に置いていきました。
2年後戻ってくると高速通勤の解氷剤の影響と2年間放置で車体は半分ほど土に返っていました。
「こんなになったら、もういらないからお前にやる!」
その時私はランクルBJ41のピカピカレストア済みに乗っていましたのでそんなものいらないよ!って感じでいました。
おとうさんのJeepこのままじゃもったいないからレストアしたら、その気になったS氏は奥さんに頼んでお金を出してもらい、私の友人の板金工場へ依頼しましたが、
「こんな車治せるわけないべ」
「板金でなくて製作だべや」
結局無理やり持ち込み、工期も金もいくら掛かっていいという条件で預かってもらいましたが、その間にS氏はゴルフGTIを購入。
「今度はベンツだべあ」
高級車思考に走ってしまい、一年後Jeepが完成したころはすっかり熱が冷めていました。
車検を取るどころか放置一冬雪の下になって今春 駐車場がないこと理由に
「ブン投げてしまうんだ」
てな調子でしたのでS氏の思い出がつまった〔アキテしまった〕友人の板金屋さんの情熱の作品を譲ってもらったんです。
(続)
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