「おっちゃん」と「山の中」をキーワードに、昆虫の家の紹介から設立のいきさつ、現在の活動をご紹介します。
作者紹介
藤吉 裕和
1973年4月26日、北海道常呂町産。地元の高校卒業後、家業の農業を後継しながら通信情報系フリーライターをする。その後、離農し網走のOA機器修理職を経て現在建設会社勤務。常呂町在住。
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■第27話
■大人な子ども、子どもな大人。
なんだかぼやぼやしているうちに12月に入ってしまいました。12月は師走。もう少しぼやっとしているうちに、新しい年がまたやってきます。
夏の「いきいきオホーツク自然体験村」についていろいろな話が聞こえてきました。感謝の声、激励の声、指摘の声、改善意見、などなど。この事業は、「全国から集まった子供達とスタッフ、一度も顔を合わせた事がない人達が2週間にわたって共同生活をする。それだけではなく、子供も大人もくたくたになるまで疲れる(でも楽しい)プログラムが盛りだくさん詰め込まれている。」というものなのです。すべてにおいて100%全員が「とっても楽しかった」や「問題点などなく、パーフェクト!」というような事はまずあり得ないものです(もちろん、目標としては100%完璧なものです。目標だけは高く!)。
色んな声があって、それをみんなで認識し、それぞれが考えて(感じて)、これからの生活に活かしていこう、これからの「いきいき」に反映していこうという思いで終わるのが良いのかなって個人的には思っていました。
でも、一部からは信じられない声も聞こえてきました。批判される様であれば来年はスタッフを出さないという(らしい)ものでした。この話を聞いた時、私はがっかりしてしまいました。参加したスタッフみんなが欲しかったのは「良かったね」「頑張ったね」という賛辞の声だけだったのでしょうか。100%全員が賛辞を述べる事を期待していたのでしょうか。
この辺り、理解に苦しむ部分があります。というか、私には理解できませんでした。そして、問題点などを記した人達を「勝手な言い分」とまで言われてしまえば、理解どころかあきれてしまいました。
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人それぞれ、いろんな環境で育ってきています。考え方だって、性格だって、みんな人それぞれなのです。いろんな意見があったっていいではありませんか。色々な意見に耳を傾けて、その上で自分自身の考えを作り上げればいいのではないかなって思っています。
だから、学生さん達には「賛辞」も、「意見」も、両方聞く耳を持ってもらいたいなという強い思いがあります。学生のうちだけなんですよ、冷静に両方聞く耳を持てるのは。大人になって、社会に出てしまうと、社会通念やらに飲み込まれて、偏った聞き方しかできない(偏らざるおえない)事もたくさん出てきてしまいます。
私は数年前、対向車線を走ってくる車を発見し、危険防止のためハザードをつけて道路左側に停車しました。その車は、減速もせず私に向かって一直線に走行してきました。車は廃車、胸骨骨折。加害者側の保険会社の担当者は高圧的で、「うちには警察OBもいるからしっかり調べるからな」とまで話をしていました。今は、その保険会社から釧路の弁護士まで出てきています。この人達は、商売としてやっている以上、自分達の不利になる事については言葉として取り上げず、都合の良い言葉だけを押しつけてきています。
子供達にはこんな大人になって欲しくないな、と思っています。悪いところがあったら認める勇気も必要です。素直に謝る事も必要です。でも、柔軟な発想は持ち続けて欲しいです。
もちろん、大学生達は、前述した保険会社や弁護士達と違い、まだ社会のしがらみがあまり強くありません。だからこそ、「賛辞」も「意見」も受け入れて欲しいのです。まだ大人でもない、子供でもない、中間のやわらかな「原石」として。
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